本弁論大会について
第三回全日本学生弁論大会は、10大学弁論団体の共同運営によって開催される弁論大会です。
日時:2012年12月9日9:30〜16:30
場所:明治大学駿河台キャンパス1001番教室
弁論時間:10分(11分打ち切り)
質問時間:10分
形式:第1部 弁論の部 第2部 討論の部
弁士: 各団体につき弁士2名まで
公募人数:10名程度
後援:学生雄弁保存会

大会趣意

弁論とは、己が価値観の発露たる論を雄弁し、聴衆を自らの価値観に引きこむものであります。「雄弁とは感激にあり」「弁論とは術にあらずして人格の発露である」前者は早稲田大学雄弁会創設者大隈重信の、
後者は中央大学辞達学会創設者花井卓蔵の言葉でありますが、まさにこれらの言葉によって弁論の本質は語られていると言ってよいでしょう。
 しかし、翻って現状の弁論界の人間によって聴衆が占められている弁論大会を見ると、こうした弁論の本質が発揮されているとは言えないように思えます。
 なぜならもし自らの価値観に他者を引き込むものが弁論であるのなら、本来は自らの価値観とかけ離れ、説得の機会なき多種多様な一般聴衆に対して訴えるべきものであり、  普段から議論を行い相互に価値観を認識している弁論界の人間に対してのみ自らの言説を訴えることは願うべき状況とは思わないからです。
 こうした現状を鑑み、我々弁論界は協力して弁論の本質を取り戻したいと考えるようになりました。而して、我々は全ての弁論部が協力した形で弁論大会を開催すべきであるという結論に至ったのです。
 この実現に際しては実行委員会の中で議論が重ねられ、いかに我々が理想とする弁論大会を実現するかについて力を注ぎました。
 弁論の本質とは価値観の発露にあると述べましたが、この本質は弁士のみによって達せられるものではありません。なぜなら、自らの言説に責任を持たない言説はただの空論であり、
 人を感激させるに足りるものではないからです。自らの論を本気で訴え、納得のいかない他者にも主張し続ける姿勢こそが、弁士に求められます。如何に弁士の論が価値観を発露したものであっても、
 それが虚空に向かって吐かれるのであれば全く意味がないということは、お分かりいただけると思います。弁論の本質を実現するのは、聴衆の質問であり、野次なのであります。生半可な論では、聴衆からの批判を浴びてしまいます。
 しかし、それを乗り越えるものこそが真の弁論なのです。だからこそ、聴衆であっても、弁士の価値観の発露たる弁論に対して、積極的に様々な価値観に基づいた質問や野次が飛ぶような大会を我々は実現したいと考えています。
 この弁論大会が、1人でも多くの聴衆の価値観を揺さぶる場となり、弁士1人1人が理想とする社会を実現する手助けとなる場となることを期待して、本大会の趣意とさせていただきます。
第三回全日本学生弁論大会 実行委員長
早稲田大学政治経済学部二年
中村 雄貴


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